Gypsy Jazzyの使い方|ギター打ち込みを徹底解説

Gypsy Jazzyを購入したものの、

「どうやってギターを鳴らすのか分からない…」

となっていませんか?

実はこの音源、かなりクセがあります。
特にギター音源の打ち込み方法が分かりづらいため、挫折してしまう方が非常に多いです。

しかも日本語での詳しい解説はほとんど見当たりません。

そこで本記事では、
Gypsy Jazzyのギターをエレクトロスウィング制作で使うための打ち込み方法を、
実践ベースで解説していきます。

Gypsy Jazzyとは?

Gypsy Jazzyは、
エレクトロスウィングやジプシージャズ系サウンドに特化した総合音源です。

収録内容は非常に充実しており、

  • アコーディオン
  • バイオリン
  • ウッドベース
  • クラリネット
  • ギター

といった楽器が含まれています。

ただし注意点があります。

⚠UVI社特有の仕様で、操作が直感的ではありません。

そのため「音は良いのに使い方が分からない」という人が続出しています。

特にギターは、一般的なギター音源とは思想がまったく異なります。

Gypsy Jazzyギターの基本思想

このギター音源は

ソロギターなど単音を奏でることは出来ません。
コード伴奏専用のストラム再現音源です

エレクトロスウィングに合う単音のギターメロディや、
ジプシージャズらしい本格的なソロフレーズを再現したい場合は、

ジプシーギター専用音源「DJANGO」がおすすめです。

ギター音源の立ち上げ方

Gypsy Jazzyにおけるギター音源の立ち上げ手順を解説します。

ここではCubaseを例に説明しますが、
基本的な流れは他のDAWでも同様ですので、それぞれの環境に読み替えてください。

① インストゥルメントトラックを追加

Cubaseで「インストゥルメントトラックを追加」を選択します。

② 「UVI Workstation」を選択

インストゥルメント一覧から
UVI Workstation を選択し「トラック追加」を押下します。

③UVI Workstationを起動

追加したインストゥルメントトラックの「インストゥルメントトラックを編集」ボタンを押下しUVI Workstationを起ち上げます。

「インストゥルメントトラックを編集」ボタン
UVI Workstation画面

④ ファイル追加ボタンを押下

UVI Workstationの「ファイル追加」ボタンを押下します。

UVI Workstaionの「ファイル追加」ボタン

⑤「ChordOmatic」または「Split」を選択

左から順番に「Gypsy Jazzy」-「3-Instruments」-「Roots Guitars Loops」を選択します。

ここで2種類のギター方式が表示されます。

  • ChordOmatic
  • Split

この2つは仕組みがまったく異なります。

ChordOmaticとSplitの違いについては、次の章で詳しく解説します。

ChordOmatic(コード指定タイプ)

ChordOmaticは、
コードを入力するとストラムが鳴るタイプのギター音源です。

例としてCメジャーを鳴らす場合は、以下のように打ち込みます。

コード入力はC1~G2の範囲で行います。

Cメジャーを鳴らす場合

コード判定は非常にシンプル

ChordOmaticは高度なコード解析を行いません。

5度(G)を省略しても問題はなく、
内部的には

  • 最下音をルートとして認識
  • もう一音が短3度かどうかで判定

しているようです。

判定ルール

  • ルート+短3度 → マイナー
  • それ以外 → メジャー

具体例

  • C + E♭ → Cマイナー
  • C + E → Cメジャー
  • C + F → Cメジャー
  • C + A → Cメジャー
  • C + G# → Cメジャー

7th、dim、m7♭5、テンションコードには対応していません。

なお、後から打ち込みを見直した際に分かりにくくならないよう、
ルート+3度+5度の三和音で入力しておくことをおすすめします。

プリセットの種類

ChordOmaticには合計6種類のプリセットがあります。

  • 100T Clean Guitar ChordO
  • 100T Guitar Cheap ChordO
  • 100T Gypsy Nylon ChordO
  • 120 Clean Guitar ChordO
  • 120 Guitar Cheap ChordO
  • 120 Gypsy Nylon ChordO

音色の違い

  • Clean:標準的なアコースティックギター音色
  • Cheap:やや軽くチープ感のある音色
  • Nylon:ナイロン弦特有の柔らかい音色

楽曲の雰囲気に合わせて選択しましょう。

テンポタイプの違い

  • 100T → 3拍子(ワルツ系)
  • 120 → 4拍子タイプ

一般的なエレクトロスウィングは4拍子なので、
基本的には「120」系を選ぶことになります。

キースイッチについて

各プリセットにはキースイッチが割り当てられていて奏法を切り替えることが出来ます。

選択音色によって切り替えられる奏法は異なります。

音色を選択した際の画面左側にも説明が表示されますが、
ここでは「120 Clean Guitar ChordO」を例に解説します。

120 Clean Guitar ChordO のキースイッチ例

※選択音色によって異なります

C0
ジプシーギター型のベーシックなバッキング奏法

C#0
ジプシーギター型の忙しめのリズムパターン

D0
ジプシー系アルペジオパターン

D#0
ノーマル系ベーシック奏法

E0
ノーマル系忙しめパターン

F0
ノーマル系アルペジオ

コードが鳴るタイミングもしくはその直前にキースイッチを入力することで
演奏スタイルを切り替えることができます。

(例)
ジプシー型アルペジオパターン(D0)に切り替える場合↓

⚠ コードチェンジ時に“もたつき“が出る問題

この音源の仕様として、

コードチェンジの瞬間に“もたつき”が発生する

という特徴があります。

コードを詰め詰めで打ち込むと、
ストラムの切り替わりが追いつかず、不自然な遅れが出ます。

🎧プレビュー

コードを詰めて打ち込んだ場合

対処法

対処法としてコードチェンジの直前に少し間隔をあけて打ち込むことが有効です。

🎧プレビュー

間隔を空けてコードを打ち込んだ場合

② Split(ルート指定タイプ)

Splitは、
鍵盤位置ごとにコードタイプ(Major / Minor)と奏法(Basic / Busy / Arpeggio)が割り当てられている方式です。

ChordOmaticのようにコードを押して判定させるのではなく、
単音でトリガーして演奏を呼び出します。

例)ベーシック奏法で「C → Dm」と打ち込む場合

鍵盤位置で奏法、コードタイプを指定


🎧プレビュー

指定された鍵盤を順番に入力することで、
そのコードのストラムが鳴ります。

プリセットの種類

  • 100T Clean Guitar Split Gypsy
  • 100T Clean Guitar Split Regular
  • 100T Guitar Cheap Split
  • 100T Gypsy Nylon Split
  • 120 Clean Guitar Split Gypsy
  • 120 Clean Guitar Split Normal
  • 120 Guitar Cheap Split
  • 120 Gypsy Nylon Split

テンポの違い

  • 100T → 3拍子(ワルツ向き)
  • 120 → 4拍子

エレクトロスウィングでは基本的に「120」を使用します。

音色の違い

  • Clean
  • Cheap
  • Nylon

さらにCleanタイプでは

  • Gypsy
  • Normal(Regular)

と細分化されています。

コードタイプ・奏法タイプの割り当て

選択音色によって切り替えられる奏法は異なります。

音色を選択した際の画面左側にも説明が表示されますが、
ここでは「120 Clean Guitar Split Gypsy」を例に解説します。

120 Clean Guitar Split Gypsy の割り当て例

G#0 ~ B0:ギターボディの打音

G#0のギターボディー打音(それぞれで打音種類が異なる)

C1 ~ B1:Gypsy Basic Rhythm Major

ベーシックな奏法でメジャーコード。

C1を入力(ベーシック奏法でCメジャー)

C2 ~ B2:Gypsy Basic Rhythm Minor

ベーシック奏法でマイナーコード。

C2を入力(ベーシック奏法でCマイナー)

C3 ~ B3:Gypsy Busy Rhythm Major

ビジー奏法でメジャーコード。

C3を入力(ビジー奏法でCメジャー)

C4 ~ B4Gypsy Busy Rhythm Minor

ビジー奏法でマイナーコード。

C4を入力(ビジー奏法でCマイナー)

C5 ~ B5:Gypsy Arpeggios Major

アルペジオでメジャーコード。

C5を入力(アルペジオでCメジャー)

C6 ~ B6:Gypsy Arpeggios Minor

アルペジオでマイナーコード。

C6を入力(アルペジオでCマイナー)

⚠ コードチェンジ時の“もたつき”について

Splitでは、
ChordOmaticほど顕著にもたつきが発生することはありません。

ただし、コードの組み合わせによっては発生する場合があります。

例としてCm-Dmの場合、もたつきは発生しませんがC-Dmの場合はもたつきが発生します。

気になる箇所ではOmatic同様、コードチェンジの直前に少し間隔をあけて打ち込む必要があります。

ChordOmaticとSplitの使い分け

それぞれに明確なメリットがあります。

■ ChordOmaticのメリット

ChordOmaticは、後からプロジェクトを見返した時に非常に分かりやすいという利点があります。

三和音(ルート+3度+5度)で入力しておけば、
どのコードを指定していたか、メジャーかマイナーかを一目で確認できます。

そのため、コード進行を明確に管理したい場合や、後から修正する可能性が高い制作には向いています。

✔ コード進行を明確に管理したい
✔ 後から修正する可能性が高い
✔ アレンジ全体を把握しやすくしたい

このような場合はChordOmaticが適しています。

■ Splitのメリット

Splitは、コード入力が不要で1音だけ打ち込めばコードが鳴るという点で非常に手軽です。

ただし後から見返した際に、ルートは分かるものの、メジャーかマイナーかは鍵盤レンジで判断する必要があります。

✔ スピード重視で打ち込みたい
✔ ルートベースで素早く組み立てたい

場合にはSplitが向いています。

制作目線での結論

  • 整理性重視 → ChordOmatic
  • 打ち込みの手軽さ重視 → Split

ざっくりと双方のメリット・デメリットを把握しておくだけでも、
制作時の迷いが減り、作業がスムーズになります。

まとめ

Gypsy Jazzyのギターは、
通常のギター音源とはまったく思想が異なります。

Gypsy Jazzy ギター音源のポイント:

単音ソロ用途ではなくストラム伴奏専用音源である。
ChordOmaticは整理性重視、Splitは打ち込みの手軽さ重視の音源。
コードチェンジ時の”もたつき”に注意して打ち込む必要あり。

特性を理解して使い分ければ、
エレクトロスウィング制作において非常に強力な武器になります。

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