Gypsy Jazzyを購入したものの、
「どうやってギターを鳴らすのか分からない…」
となっていませんか?

実はこの音源、かなりクセがあります。
特にギター音源の打ち込み方法が
分かりづらいため、挫折してしまう方が
非常に多いです。
しかも日本語での詳しい解説は
ほとんど見当たりません。
そこで本記事では、
Gypsy Jazzyのギターをエレクトロスウィング制作で使うための打ち込み方法を、
実践ベースで解説していきます。
エレクトロスウィングやジャズを軸に活動する作曲家・アレンジャー・DTM講師。
楽曲提供、編曲、ミックス、イベント企画まで幅広く手がける。
携わったCMソングが山形県ふるさとCM大賞 音楽賞を受賞。
zensen、Anshellyとのコラボ楽曲「お洒落がしたいわ」はYouTube再生数30万回を突破。
Gypsy Jazzyとは?
Gypsy Jazzyは、
エレクトロスウィングやジプシージャズ系
サウンドに特化した総合音源です。
収録内容は非常に充実しており、
- アコーディオン
- バイオリン
- ウッドベース
- クラリネット
- ギター
といった楽器が含まれています。
ただし注意点があります。
⚠UVI社特有の仕様なため、
操作が直感的ではありません。
そのため
「買ったけど使い方が分からない」
という人が続出しています。
特にギターは、一般的なギター音源とは
思想がまったく異なります。
エレクトロスウィングやジャズを軸に活動する作曲家・アレンジャー・DTM講師。
楽曲提供、編曲、ミックス、イベント企画まで幅広く手がける。
携わったCMソングが山形県ふるさとCM大賞 音楽賞を受賞。
zensen、Anshellyとのコラボ楽曲「お洒落がしたいわ」はYouTube再生数30万回を突破。
Gypsy Jazzyギターの基本思想
このギター音源はソロギターなど
単音を奏でることは出来ません。
コード伴奏専用のストラム再現音源です
エレクトロスウィングに合う
単音のギターメロディや、ジプシージャズ
らしい本格的なソロフレーズを再現したい
場合は、
ジプシーギター専用音源「DJANGO」が
おすすめです。
ギター音源の立ち上げ方
Gypsy Jazzyにおける
ギター音源の立ち上げ手順を解説します。
ここではCubaseを例に説明しますが、
基本的な流れは他のDAWでも同様ですので、それぞれの環境に読み替えてください。
① インストゥルメントトラックを追加
「インストゥルメントトラックを追加」を
選択します。

② 「UVI Workstation」を選択
インストゥルメント一覧から
UVI Workstation を選択し「トラック追加」を押下します。

③UVI Workstationを起動
追加したインストゥルメントトラックの
「インストゥルメントトラックを編集」
ボタンを押下し、UVI Workstationを
起ち上げます。


④ ファイル追加ボタンを押下
UVI Workstationの「ファイル追加」ボタンを押下します。

⑤「ChordOmatic」または「Split」を選択
左から順番に
「Gypsy Jazzy」-「3-Instruments」-「Roots Guitars Loops」を選択します。

ここで2種類のギター方式が表示されます。
- ChordOmatic
- Split
この2つは仕組みがまったく異なります。
ChordOmaticとSplitの違いについては、
次の章で詳しく解説します。
ChordOmatic(コード指定タイプ)
ChordOmaticは、
コードを入力するとストラムが鳴るタイプのギター音源です。
例としてCメジャーを鳴らす場合は、以下のように打ち込みます。
コード入力はC1~G2の範囲で行います。

コード判定は非常にシンプル
ChordOmaticは高度なコード判定を
行いません。
5度(G)を省略しても問題はなく、
内部的には
- 最下音をルートとして認識
- もう一音が短3度かどうかで判定
しているようです。
判定ルール
- ルート+短3度 → マイナー
- それ以外 → メジャー
具体例
- C + E♭ → Cマイナー
- C + E → Cメジャー
- C + F → Cメジャー
- C + A → Cメジャー
- C + G# → Cメジャー
7th、dim、m7♭5、テンションコードには対応していません。
なお、後から打ち込みを見直した際に分かりにくくならないよう、
ルート+3度+5度の三和音で入力しておくことをおすすめします。
プリセットの種類
ChordOmaticには合計6種類の
プリセットがあります。
- 100T Clean Guitar ChordO
- 100T Guitar Cheap ChordO
- 100T Gypsy Nylon ChordO
- 120 Clean Guitar ChordO
- 120 Guitar Cheap ChordO
- 120 Gypsy Nylon ChordO
音色の違い
- Clean:
標準的なアコースティックギター音色 - Cheap:
やや軽くチープ感のある音色 - Nylon:
ナイロン弦特有の柔らかい音色
楽曲の雰囲気に合わせて選択しましょう。
テンポタイプの違い
- 100T → 3拍子(ワルツ系)
- 120 → 4拍子タイプ
一般的なエレクトロスウィングは
4拍子なので、基本的には「120」型を
選ぶことになります。
キースイッチについて
各プリセットには
キースイッチが割り当てられていて
奏法を切り替えることが出来ます。
選択音色によって
切り替えられる奏法は異なります。
音色を選択した際の
画面左側にも説明が表示されますが、
ここでは「120 Clean Guitar ChordO」を
例に解説します。
120 Clean Guitar ChordO のキースイッチ例
※選択音色によって異なります
C0
ジプシーギター型のベーシックなバッキング奏法
C#0
ジプシーギター型の忙しめのリズムパターン
D0
ジプシー系アルペジオパターン
D#0
ノーマル系ベーシック奏法
E0
ノーマル系忙しめパターン
F0
ノーマル系アルペジオ
コードが鳴るタイミングもしくはその直前にキースイッチを入力することで
演奏スタイルを切り替えることができます。
(例)
ジプシー型アルペジオパターン(D0)に切り替える場合↓

⚠ コードチェンジ時に“もたつき“が出る問題
この音源の仕様として、
コードチェンジの瞬間に“もたつき”が
発生する
という特徴があります。
コードを詰め詰めで打ち込むと、
ストラムの切り替わりが追いつかず、
不自然な遅れが出ます。

🎧プレビュー
対処法
対処法としてコードチェンジの直前に
少し間隔をあけて打ち込むことが有効です。

🎧プレビュー
② Split(ルート指定タイプ)
Splitは、
鍵盤位置ごとにコードタイプ(Major / Minor)と奏法(Basic / Busy / Arpeggio)が割り当てられている方式です。
ChordOmaticのように
コードを押して判定させるのではなく、
単音でトリガーして演奏を呼び出します。
例)ベーシック奏法で「C → Dm」と打ち込む場合

🎧プレビュー
指定された鍵盤を順番に入力することで、
そのコードのストラムが鳴ります。
プリセットの種類
- 100T Clean Guitar Split Gypsy
- 100T Clean Guitar Split Regular
- 100T Guitar Cheap Split
- 100T Gypsy Nylon Split
- 120 Clean Guitar Split Gypsy
- 120 Clean Guitar Split Normal
- 120 Guitar Cheap Split
- 120 Gypsy Nylon Split
テンポの違い
- 100T → 3拍子(ワルツ向き)
- 120 → 4拍子
エレクトロスウィングでは基本的に「120」を使用します。
音色の違い
- Clean
- Cheap
- Nylon
さらにCleanタイプでは
- Gypsy
- Normal(Regular)
と細分化されています。
コードタイプ・奏法タイプの割り当て
選択音色によって
切り替えられる奏法は異なります。
音色を選択した際の画面左側にも
説明が表示されますが、
ここでは「120 Clean Guitar Split Gypsy」を
例に解説します。
120 Clean Guitar Split Gypsy の割り当て例
G#0 ~ B0:ギターボディの打音
C1 ~ B1:Gypsy Basic Rhythm Major
ベーシックな奏法でメジャーコード。
C2 ~ B2:Gypsy Basic Rhythm Minor
ベーシック奏法でマイナーコード。
C3 ~ B3:Gypsy Busy Rhythm Major
ビジー奏法でメジャーコード。
C4 ~ B4:Gypsy Busy Rhythm Minor
ビジー奏法でマイナーコード。
C5 ~ B5:Gypsy Arpeggios Major
アルペジオでメジャーコード。
C6 ~ B6:Gypsy Arpeggios Minor
アルペジオでマイナーコード。
⚠ コードチェンジ時の“もたつき”について
Splitでは、
ChordOmaticほど顕著にもたつきが発生することはありません。
ただし、コードの組み合わせによっては発生する場合があります。
例として
Cm-Dmの場合、もたつきは発生しませんが
C-Dmの場合はもたつきが発生します。
気になる箇所ではOmatic同様、
コードチェンジの直前に少し間隔をあけて
打ち込む必要があります。
ChordOmaticとSplitの使い分け
それぞれに明確なメリットがあります。
■ ChordOmaticのメリット
ChordOmaticは、
後からプロジェクトを見返した時に
非常に分かりやすいという利点があります。
三和音(ルート+3度+5度)で
入力しておけば、
どのコードを指定していたか、
メジャーかマイナーかを一目で
確認できます。
そのため、
✔コード進行を明確に管理したい
✔後から修正する可能性がある
場合にはChordOmaticが向いています。
■ Splitのメリット
Splitは、
コード入力が不要で1音だけ打ち込めば
コードが鳴るという点で非常に手軽です。
ただし後から見返した際に、
ルートは分かるものの、
メジャーかマイナーかが分かりづらいです。
そのため、
✔ スピード重視で打ち込みたい
✔ 後から修正する可能性が無い
場合にはSplitが向いています。
制作目線での結論
- 整理性重視 → ChordOmatic
- 打ち込みの手軽さ重視 → Split
双方のメリット・デメリットを
把握しておくだけでも、制作時の迷いが
減り、作業がスムーズになります。

まとめ
Gypsy Jazzyのギターは、
通常のギター音源とはまったく思想が
異なります。
✔単音ソロ用途ではなく
ストラム伴奏専用音源である。
✔ChordOmaticは後の見やすさ重視、
Splitは打ち込みの手軽さ重視の音源。
✔コードチェンジ時の”もたつき“に注意。
特性を理解して使い分ければ、
エレクトロスウィング制作において
非常に強力な武器になります。
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