エレクトロスウィングに欠かせない要素のひとつが「ブラスリフ」です。
楽曲の印象を決定づける重要なパートでありながら、具体的な作り方はあまり詳しく解説されていません。
この記事では、ブラスリフの基本的な考え方から、実際の打ち込み方法、アレンジのコツまでを分かりやすく解説していきます。
エレクトロスウィングやジャズを軸に活動する作曲家・アレンジャー・DTM講師。
楽曲提供、編曲、ミックス、イベント企画まで幅広く手がける。
携わったCMソングが山形県ふるさとCM大賞 音楽賞を受賞。
zensen、Anshellyとのコラボ楽曲「お洒落がしたいわ」はYouTube再生数20万回を突破。
ブラスリフとは?
ブラスリフとは、イントロなど楽曲の中で繰り返し登場する印象的な管楽器フレーズのことです。
エレクトロスウィングにおいては、スウィング感・レトロ感・高揚感を一気に作り出す最重要パーツのひとつです。
🎧 楽曲例
こちらの楽曲だと7秒辺りからの部分がブラスリフになります↓
ブラスリフは大きく分けて、次の2通りの作り方があります。
ブラスリフの作り方は大きく2種類
■ サンプリング音源で作る
実際に演奏されたブラスフレーズ素材を組み合わせてリフを作る方法です。
🎧 サンプリング音源で作った例
サンプリング素材については私はLoopMasterをメインにサブでSpliceを使っています。
サンプリング音源で作るメリット
聴いて分かる通り、人が演奏したニュアンスがそのまま入るため非常にリアルです。
洋楽テイストな生楽器主体の音作りをかなり忠実に再現できます。
ただし、以下のデメリットがあります。
サンプリング音源で作るデメリット
- フレーズが素材に依存する
サンプルを切り貼り・並べ替え・ピッチ変更などで加工はできますが
ゼロから自由なメロディーを作るのは難しくなります。 - 時間がかかる
自分のイメージに合うサンプリング素材探しと編集にかなりの時間が費やしがちです。
■ ソフトウェア音源で作る
MIDIで打ち込んでブラスリフを作る方法です。
🎧 ソフトウェア音源で作った例
ソフトウェア音源で作るメリット
- メロディーを自由に作れる
- 奏法(スタッカート・フォールなど)を自在に切り替え可能
- アレンジの自由度が高い
ソフトウェア音源で作るデメリット
生演奏特有のリアルな揺れや質感は損なわれてしまいます。
しかし、日本のボカロ系エレクトロスウィングではこの方法が主流で、“それっぽい雰囲気”を作るにはソフト音源打ち込みが非常に有効です。
👉 使用する音源によって仕上がりのクオリティは大きく変わります。
ブラス音源の選び方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています↓
ちなみに著者が使っているブラス音源はこちらです↓
ソフトウェア音源で作るブラスリフの組み立て方
① 管楽器1本でリフを構成する
洋楽寄りのエレクトロスウィング感を出したい場合、
シンプルに1本の管楽器でリフを作るのは非常に効果的です。
🎧 アルトサックス1本の管楽器リフ例
ただし、少し物足りなく感じる場合は、
グリッチ系やリズム系エフェクトでフレーズやピッチを加工して動きを足してあげると、
シンプルさを保ったまま存在感を出すことができます。
🎧 加工例
※別楽曲ですが、実際にテープストップで所々ピッチダウン加工や細かくフレーズを切ってEDM感を出しているブラスフレーズです
② 複数の管楽器でユニゾン構成
🎧 例(「ステップはお静かに」リフ)
エレクトロスウィングでは、ビッグバンドのような分厚い和声よりも
「ユニゾン重ね」 が基本になります。
例えば ステップはお静かに の場合、次のような管楽器編成でリフを構成しています。
・アルトサックス(メイン)
・テナーサックス
・トランペット
・バリトンサックス
音域の重ね方のコツ
「ステップはお静かに」では、例えば以下のように音域を配置しています。
| 楽器 | 役割 |
|---|---|
| アルトサックス | メインメロディー |
| テナーサックス | 同音域ユニゾンで迫力を足す |
| トランペット | 低音域で厚みを出す |
| バリトンサックス | 低音域で厚みを出す |
🎧 各パート
・アルトサックス
・テナーサックス
・トランペット
・バリトンサックス
👉 ユニゾン構成が基本ではありますが、
メインがトランペットになる場合もあれば、クラリネットやホルンなど別の管楽器が加わることもあります。
また、バリトンサックスの代わりにトロンボーンを用いることもあり、
使用楽器の種類や本数は常に固定ではありません。
曲の雰囲気やフレーズの動きに合わせて、
楽器の種類・音域・本数を臨機応変に組み替えて構成することが重要です。
③ 一部だけ別メロディーを入れる
🎧 例(「東京ららばい」リフ)
全員ユニゾンではなく、例えば1パートだけ別フレーズにするのもよく使われます。
例で挙げた「東京ららばい」では、バリトンサックスが他のパートとは違うメロディーを奏でています。
・サックスセクション
・バリトンサックス
・ブラスリフ全体
ここで注意することは、メインリフを邪魔し過ぎないことです。
今回の場合、バリトンサックスをオクターブ下に配置し、なるべく違うノリでメインとフレーズが重なっても濁らないよう配慮して構成しています。
フレーズ作りで音選びに迷ったら
なお、ブラスリフのフレーズ作りは スケールとコード進行を理解していると格段に作りやすくなります。
コード進行が曲の雰囲気を決定づけ、スケールが使える音を教えてくれるため、この2つを理解しているとブラスリフのメロディー作りがぐっと楽になります。
👉 エレクトロスウィングで使われる定番スケールを解説
👉 エレクトロスウィングで使える定番コード進行解説
まとめ
ブラスリフは、エレクトロスウィングの雰囲気を決定づける重要な要素です。
✔ サンプリング音源とソフト音源、それぞれにメリット・デメリットがある
✔ ブラスを重ねる場合はユニゾンが基本
✔ 楽器編成は曲に合わせて柔軟に調整する
✔ スケールとコード進行を理解するとフレーズ作りが楽になる
まずはシンプルなリフから作り、重ね方や動きを試しながら、自分なりのブラスリフを作ってみましょう。
なお、私が実際に使用しているブラス音源や制作環境については、こちらのページで詳しく公開しています。
👉 私が使っている制作環境はこちら
私がブラスリフ制作でメインに使用している音源は
Chris Hein Session Horns Complete です。
リアルさと打ち込みの自由度を両立したい方に特におすすめの音源です。
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👉 エレクトロスウィングの作り方完全ガイド
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